名古屋市が配布した「平成11年5月1日改正法施行の概要」の写しです。


平成11年5月1日改正法施行の概要(中間検査、指定確認検査機関関係を除く)
    法第6条(確認申請及び確認関係)
  1. 「建築基準関係規定」を明確にし、当該規定に適合していることを確認することに改正された。
      ※建築基準関係規定=建築基準法令の規定+令第9条で定める他法令等
  2. 「確認を受けなければならない」が、「確認を受け、確認を受け確認済証の交付を受けなければ ならない」に改正された。
  3. 建築物の計画の変更(省令第3条の2で定める軽微な変更以外)をして、   
    一〜三号建築物:建築(新築・増築・改築・移転)、大規模の修繕、大規模の模様替
    四号建築物  :建築(新築・増築・改築・移転)
    をする場合(すなわち、工事中の計画変更)には、計画変更の確認申請が必要と規定された。
       (ex.敷地面積の減・高さが高くなる変更・主要間仕切壁の変更も対象)
  4. 令第10条の確認申請手数料が減額された。(完了検査申請手数料を徴収するため)
  5. 令第10条で、計画の変更に伴う確認申請手数料は、変更部分の床面積の2分の1 (床面積増加部分は当該床面積について算定することと規定された。
       (計画変更甲請手数料算定のための「床面積算定準則」が定められる予定)
  6. 昇降機等及び工作物についても同様に改正された。
  7. 確認申請書の様式が変更され、申請者及び設計者の氏名の記載を自署した場合は、 押印を省略できることとされた。
  8. 「確認通知書」から「確認済証」へ名称が変更され、併せて様式を変更して 「建築基準関係規定に適合していることを証明する。」と明記された。
    法第7条(完了検査関係)
  1. 「工事完了届を出さなければならない」が、「完了検査申請書により完了検査を 申請しなければならない」に改正された。
  2. 完了検査申請できないやむを得ない理由は、省令第4条の3で「災害その他の事由」 と定められた。
  3. 「建築主事又はその委任を受けた当該市町村若しくは都道府県の吏員」が 「建築主事等」と定義された。
  4. 「建筆基準関係規定」が明確にされ、当該規定に適合していることを検査して 「検査済証」を交付することが規定された。
  5. 完了検査甲請についても、令第12条で定める「完了検査申請手数料」を徴収する ことが規定された。
  6. 省令第4条第2項により、確認申請した建築主事に対して行う場合の 「完了検査申請書」には、添付図書(確認に要した図書等)の添付を要しないとされた。
  7. 「エ事完了届」から[完了検査申請書」へ名称が変更され、併せて様式を変更して 確認申請書第2面の内容(建築主等、設計者、建築設備に関し意見を聴いた者、 工事監理者及び工事施工者の概要)、申請する工事の概要(建築場所等、工事種別、 確認済証番号等)及ぴエ事監理の状況を記載することとされた。 また、申請者又は工事監理者の氏名の記載を自署した場合は、押印を省略できる こととされた。
  8. 「検査済証」の様式変更により交付者が「建築主事」から「建築主事等」に改正された。
5月1日以後の確認・変更・検査及び手数料の具体的取扱い
分類 申請時 変更時 完了時
4/30以前受理 4/30以前確認 計画変更なし 旧確認申請書
(旧手数料)
確認通知書
  完了検査申請書
(手数料なし)
新検査済証
計画変更あり 旧確認申請書
(旧手数料)
確認通知書
計画変更確認申請書
(新手数料)
新確認済証
完了検査申請書
(手数料なし)
新検査済証
5/1以後確認 計画変更なし 旧確認申請書
(旧手数料)
確認済証
  完了検査申請書
(手数料なし)
新検査済証
計画変更あり 旧確認申請書
(旧手数料)
確認済証
計画変更確認申請書
(新手数料)
新確認済証
完了検査申請書
(手数料なし)
新検査済証
5/1以後受理 5/1以後確認 計画変更なし 新確認申請書
(新手数料)
確認済証
  完了検査申請書
(新手数料)
新検査済証
計画変更あり 新確認申請書
(新手数料)
確認済証
計画変更確認申請書
(新手数料)
新確認済証
完了検査申請書
(新手数料)
新検査済証
(注)建築主名等の変更をはじめ、建築計画概要書・建築情報システム等の 内容に係る変更など、建築計画に影響のない事項で、従来から記載事項変更届 (手数料なし)で処理してきた変更は「計画の変更」に該当しないものとして、 現行どおり記載事項変更届による変更で扱う。
ただし、高さが高くなる変更等は計画の変更に該当し、計画変更確認申請が必要となる。
    法第12条(閲覧台帳関係)
  1. 従来、「特定行政庁は、必要に応じ、処分に係る建築物に関する台帳の整備 その他の措置を講ずる」とされていたものを、省令第6条の2に定める事項 を記載した台帳を整備することとされた。
  2. 台帳は次の3種類とし、それぞれ必要事項を記載するものとされた。
    イ、建築物に係る台帳
    (建築計画概要書及び処分概要書に記載すべき事項、申請書受付年月日、 指定確認検査機関からの報告受理年月日、法第12条第1項の報告、 その他特定行政庁が必要と認める事項)
    ロ、建築設備に係る台帳
    (確認申請書の2面及び処分概要書に記載すべき事項、申請書受付年月日、 指定確認検査機関からの報告受理年月日、法第12条第2項の報告、 その他特定行政庁が必要と認める事項)
    ハ、工作物に係る台帳
    (確認申請書の2面及ぴ処分概要書に記載すべき事項、申請書受付生月日、 指定確認検査機関からの報告受理年月日、法第12条第1項及び 第2項の報告、その他特定行政庁が必要と認める事項)
  3. 電子機器を用いて2.の記載事項が明確に紙面に表示できれば台帳の代わりとしてよい。
  4. 台帳は、当該建築物が滅失し又は除却されるまで保存しなければならない。
  5. 指定確認検査機関から台帳に記載すべき事項に係る報告を受けた場合には、 速やかに台帳を作成し、又は更新しなければならない。
    法第18条(計画通知関係)
  1. 「国、都道府県若しくは市町村の機関の長又はその委任を受けた者」が 「国の機関の長等」と定義された。
  2. 計画通知はあくまで建築主事に対してするものであり、民間機関が審査することはない。
  3. 「適合通知」が、「確認済証の交付」に改正された。
  4. 「完了通知」「検査済証の交付」「申請手数料不要」については変更なし。
      ※ 新様式がまだ通達で示されておらず確定していないが、(案)によれば3.4. とも現行と内容はあまり変わらないと思われる。
    法第21条(大規模建築物の主要構造部関係)
  1. 令第129条の2の改正により、屋根の軒裏の延焼のおそれのある部分に1時間の 準耐火性能が要件として定められた。
    法第27条(耐火・準耐火建築物関係)
  1. 準防火地域内において、一定の木造3階建共同住宅等を許容することが 規定され、令第115条の2の2の改正により、木造3階建共同住宅等の屋根 の軒裏の延焼のおそれのある部分の準耐火性能が1時間に強化されると ともに、準防火地域内の場合は3階の各宿泊室等(共同住宅の各住戸等) の外壁の開口部等に防火戸を設けることが要件として定められた。
    (延焼のおそれのある部分かどうかに無関係)
    法第43条(接道関係)
  1. ただし書の適用は建築主事の裁量行為であったが、特定行政庁の許可事項 (建築審査会の同意要)に改正された。
  2. 「ただし書許可」の適用基準が、省令第14条の2で規定された。
       →公園等の広い空地、農道等公共の用に供する道、避難通路等に接する場合
    法第53条(建ぺい率関係)
  1. 公園・広場・道路・川等内の建築物の建ペい率規制の適用外は建築主事の 裁量行為であったが、特定行政庁の許可事項(建築審査会の同意要)に改正された。
    法第86条(団地認定関係)
  1. 一団地認定に関して「公告対象区域」を定義し、駐車場等の制限その他各種の 制限について緩和した。
    法第87条(用途変更関係)
  1. 一号建築物に用途変更(令第137条の9の2で定める類似の用途間を除く)する場合 に、確認申請が必要とする準用規定は変更なし。
  2. 従来、用途変更の場合には、エ事完了届の提出は必要だが、完了検査も行わないし 検査済証も交付しないこととしていたが、建築行為については「完了検査の申請」 に改正されたのに対して、そのまま「工事完了届」の提出(申請手数料不要) に据え置かれた。
  3. 用途変更の工事が完了した場合には、「工事完了届」を提出することとされ、 従来の「工事完了届」の様式を変更して確認申請書第2画の内容(建築主、 設計者、工事監理者及び工事施工者の概要)及び届出に係る工事の概要 (建築場所等、届出に係る建築物の概要、確認済証番号等)を記載することとされた。 また申請者の氏名の記載を自署した場合は、押印を省略できることとされた。
    法第93条(消防同意関係)
  1. 消防通知の範囲が拡大された。
    イ、
    防火・準防以外の区域内の長屋、共同住宅以外の住宅であることは従来どおり。
    ロ、
    従来、消防通知(消防同意不要)が実質は四号建築物で建築士の設計したものに 限定されていたが、令第147条の3の改正により、一戸建ての住宅(非住宅部分 の床面積合計が延べ面積の2分の1以内かつ50m2以内のものを含む)であれば、 二号・三号建築物及び建築士の設計でないものでも消防通知とすることに改正された。
    ハ、
    従来、建築設備(特に昇降機)の確認は消防同意要だったが、消防通知に改正された。
    法第93条の2(建築計画概要書の閲覧関係)
  1. 従来、「建築計画概要書」のみを閲覧させることにしていたが、省令第11条の7の改 正により、「処分の概要書」も閲覧させることに改正された。
  2. 「建築計画概要書」の様式が改正され、確認申請書の第2面・第3面の内容を建築計画 概要書の第1面・第2面として添付することが義務付けられた。

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