半田支部創立60周年を迎えて

公益社団法人愛知建築士会半田支部
半田支部創立60周年記念事業特別委員会
委員長 岡澤 宣弘


 この度、半田支部が60周年を迎えました。昭和28年6月20日に設立総会が行われ、県下4番目の支部として会員41名で発足されました。設立に当たっては、予定より1年遅れとなり、紆余曲折のご苦労があったと聞き及んでおります。  それ以来、多くの諸先輩方の歴史が刻まれてまいりました。周年はその立派に刻まれた歴史を認識するのに大変良い機会であります。  半田支部は知多半島5市5町にわたり、県下でもまれにみる広範囲の活動を展開してまいりました。この10年を振り返ってまいりますと、リーマンショック、姉歯事件等、建築業界も多大な影響を受けました。なかでも、リーマンショックによる世界金融危機は大幅な景気後退、消費の落ち込みから建築を取り巻く環境も悪化の一途を辿ることとなりました。その様な背景のなかでも、支部活動は活発に継続されたのです。最たるものは、「半田市ふるさと景観賞」でしょう。4月に業務委託を受けて以降、翌年2月の表彰式までの約1年弱という長きにわたり活動致しました。また、防災関連の事業にも力を入れて参りました。平成14年から始まり、10年間で7,400件余りの実績を上げております。予想される大地震に備え、まだまだ啓蒙活動を邁進していかなければなりません。  平成19年に女性委員会が発足し、常議員にも参加していただくことで一層視野の広い活動が行われるようになりました。また、小中学生を対象とした「出前講座」、半田市の“ゲストティーチャー制度”を利用した、中学生が対象となる講義など、未来を担う子供たちが夢を抱いて建築士を目指せるよう、地域貢献も推進しております。  今年度は60周年という節目を機に、公益法人として福祉関係にも注力していくこととなりました。「地域と協働のまちづくり事業」と銘打ち、借家利用が多い福祉関係のNPO法人施設改修の手助けをしていく予定です。  また、予想される大震災に見舞われた後の避難施設が安全かどうかを見極めるため、応急危険度判定士が行政と協力していくことを協定に盛り込んだ調印式を周年式典に合わせて行いました。5市5町の首長と建築士会・建築事務所協会の会長が一堂に会したのは画期的な出来事でした。これは各市町の担当職員の方々のご尽力のおかげだと感謝致しております。60周年をきっかけとした事業はまだ入り口に差し掛かったところです。これから私たちがしっかりとした行動を継続していかなければなりません。  今後も建築士としての誇りをもって新たな歴史を築いていくためにも、会員様のご協力とご支援を賜りますようお願い申し上げます。