赤煉瓦保存運動

半田支部まちづくり研究会 永田創一

 1996年、旧カブトビール工場の半田市による買収に伴い(仮称)赤レンガファクトリーパーク整備計画検討委員会が発足。翌1997年7月、委員会による中間報告提出後、会のメンバーによる「半田赤レンガ倶楽部」を発足。
 当初、博物館明治村館長の飯田喜四郎先生を名誉顧問に、半田市文化協会の長谷川寛子氏を会長に20名ほどのメンバーで活動を開始し、機関紙の発行や講演会を開催しながら会員を募集し、200名を超える会員とともに赤レンガ建物の保存活用に情熱を注いだ。  
残念ながら当初の整備計画は半田市の財政難により凍結されているが、今後は少しづつ建物内外部の補修が計画されている。
これを受け、今後の倶楽部の活動方針を建物の活用に絞り、2002年には倶楽部の名称を「赤煉瓦倶楽部半田」と改名し、新たに会員を募った。「目覚めよ赤レンガ」を合言葉に現在100名余のメンバーで新しい運営組織のもと活動を続けている。
 2002年の赤レンガ建物第1回特別公開では、2日間で8000人を超える市民が建物を訪れ、たくさんの方々から貴重な情報が寄せられた。また、カブトビールに関するお宝も発見された。そして2003年の第2回特別公開では、建物の創建当事の棟札や写真も展示することができ、また、倶楽部の公認グッズとして杉本健吉画伯がお描きになった赤レンガ建物の絵をポストカードにして販売し、おいでいただいた4000人余りの方々に大変よろこんでいただくことができました。
  また、日本福祉大学の創立50周年記念の学生たちによる事業が建物内外で執り行われ、記念のステンドガラスが建物5階部分にはめ込まれた。こうして、いろいろな機会を捉えて、この建物を利用していくことにより、息吹が吹き込まれていくのである。そうすることが、105年前の企業家精神を未来につなげていくことであると考えるからだ。