ワークショップ
「坂の街亀崎を歩く」
支部長 梶川幸夫
 建築士会半田支部は第3回半田市ふるさと景観賞表彰式及びまちづくりワ−クショップ「ふるさとの景観 ビフォ−アフタ−」の成果発表会を行いました。 そこで私の担当となったのは生まれ育った亀崎。名古屋工業大学の学生さんと、まち歩きナビゲ−トをして頂い た亀崎まちおこしの会の方々など総勢10名で神社の石段そして坂道を登り、高台から亀崎地区を見下ろした。遠くは高浜、碧南まで一望でき、海辺が山に向かって少しせりあがっ た地形に曲がりくねった網目のような路地(亀崎では「せこ」と言う)の坂道が今回ふるさと景観賞に選ばれた。
 「亀崎の坂道とまちおこし」の受賞写真は亀崎の尾道とよばれる「大坂」と言う坂道で、その他に弘法坂、小池坂、寺山坂とか20を越えるいろんな坂に名称があり、その高低差を生かし家並みが 形成されていて、どの民家も海側の東向きに建てら れています。
 10年前の第2回ふるさと景観賞で亀崎のせこ、に選ばれた道の真中に井戸のある場所にも足をのばした。当時水の出なかった井戸には新しいステンレス製の汲み上げボンプが設置され災害時に利用できる様になっていて、学生さん達は井戸水を手動で汲み上げするのが始めての様で感動してくれました。この様な共同井戸も街のいたる所にあり、コンクリ−ト製の流し台とその上にトタン屋根の付 いた井戸でポンプも鋳物製、これこそ時代劇に出てくるような町並みを案内して頂きました。
 街歩きの最後に寄ったのは「街かどサロンかめとも」。空き家の活用、街並や景観を守るインフラ整備、潮干祭の保存と祭り人の育成などを行っている施設で、亀崎の昔話を聞きながら昼食のジャワカレ−をベ−スにした、じゃがいも無しの7品目の野菜カレ−とコ−ヒ−(カレ−ライス:100円+コ−ヒ−:200円)を頂きました。すごくおいしかったです。 いつでも食べれるものではありません、特別に調理して頂いた事に感謝いたします。ありがとうございました。
 赤レンガ建物でのワ−クショップの発表会では名古屋工業大学の早川さん、上野さんの2名によるすばらしい発表に感動いたしました。
 10年後にも第4回が行われると思いますが、亀崎の海浜公園、ヨットハ−バ−、はぜ釣り場などたくさん良い景観があります。次回は「亀崎のはま」で連続3回亀崎が受賞される事を願っています。

無料耐震診断 ローラー作戦
木造住宅耐震診断特別委員会
委員長 成田完二
 ローラー作戦はロードローラーで押しつぶすように行います。無料耐震診断ですから、昭和56年5月以前に建てられた木造住宅の内、耐震診断を受けていない建物を対象に、一軒ずつ訪問して、耐震診断を受けてもらおうとする取り組みです。半田市では毎年地域を決めて行っています。
 2015年8月22日土曜日朝8時、花園公民館に集合したのは建築士である診断員10名、市の職員5名と花園区の役員のみなさん10名余り。5つの班に分かれ、行動しました。朝が早いのは、暑いので早めに終わろうというささやかな配慮。だったら春秋の季候の良いときやれよという話です。
 まず、区の役員さんが対象のお宅のベルを鳴らし、玄関を開けてもらいます。ここが一番肝心。区の方が居なかったら門前払い必至でしょう。次は市の職員が無料診断について説明をします。そこで調査の話しになったら、われわれの出番。調査の方法などを丁寧に説明し、理解していただきます。ここまで行けばまず申込書を書いていただけます。  予定通り、2時間程度で終了し、公民館に再集合。結果の報告を聞き解散しました。その後、耐震診断委員会をファミレスで開催。時刻は10時半、モーニングのメニューを普通のメニューに替えてもらい、泡の出る飲み物とちょっとしたつまみで、一汗かいた体を冷やしました。
 今年度は2月13日土曜日に乙川地区でもローラー作戦を行いました。暖かい日でしたが、やはり真冬。春か秋にやってもらいたいと心から願います。

舞鶴に学ぶ
赤レンガ建物とまちづくり

研修委員会委員長 成田完二
 舞鶴は永田支部長の時代から2度目の訪問となります。20年近く経っているので、経験があるのは支部長と私だけでしょう。予め、赤煉瓦倶楽部舞鶴の馬場代表と連絡を取り、日程を決め、当日の研修を企画しました。
 2015年8月30日から31日、日月1泊の行程で、福井方面から入り、若狭三方縄文博物館を見学のあと舞鶴に入り、昼食後赤レンガ博物館前で、馬場さんと合流しました。
 まず、遊覧船に乗り舞鶴港を海から見学。大きな自衛艦が何艘も停留する風景は刺激的でした。

遊覧船で30分の遊覧=馬場さん撮影
 この日は自衛隊の港の公開日で、閉門間際の短い時間でしたが間近で自衛艦を見ることが出来ました。その後は赤レンガ建物の見学。赤れんが博物館をはじめいくつかの建物を見ることが出来ました。

自衛隊の敷地内で未改修の建物を見学

赤れんが博物館前で集合写真
 舞鶴は軍港で、これらの赤レンガ倉庫は魚雷倉庫など軍の施設でした。戦後は放置され、廃墟のようになっていましたが、市が払い下げを受け、順番に改修し、いろいろな施設に生まれ変わらせ、活用しています。博物館のように20年以上使っている建物から、耐震補強だけ済んだ建物まで見ることが出来ました。また、特別に自衛隊の敷地内にある、未改修の建物まで見学出来ました。
 夜の懇親会には馬場さんも参加いただき、様々なエピソードを聞かせていただき、楽しい時を過ごしました。
翌日は舞鶴を出て亀岡に向かい、ガラス張りの研修施設で道の駅を兼ねる「ガレリアかめおか」を見学し、保津川下りを楽しみ、嵐山を自由散策して、帰路につきました。
 参加者は12名と寂しかったのですが、充実した研修と、楽しい時間を過ごすことが出来ました。

第3回
半田市ふるさと景観賞

まちづくり委員会
委員長 永田創一
 平成4年半田支部創立40周年記念事業としておこなった「半田市都市景観賞」が実を結び、平成7年半田市主催の第1回「半田市ふるさと景観賞」がおこなわれてから20年の歳月が流れた。10年に一度おこなわれるこの景観賞も今年で3回目を迎えた。
 半田市の都市計画課から私のところへ依頼が来たのは昨年の5月。早々、支部長に相談し打ち合わせに入った。今回は地域活性化や優れた景観形成に貢献した個人や団体、また街に活力を与える市民活動やイベントなどにもより一層焦点を当てて選考しようという事になり、半田市観光協会の協力も得て、選考委員には椙山女学院大学の村上先生、名古屋工業大学の北川先生、名古屋大学の太幡先生の3名の若い先生方に加え女性で知多信用金庫の地域貢献課長の池田様、そしてはんだまちづくりひろばコーディネーターの榊原様の5名にお願いした。
 209点、156箇所の応募推薦があり、1次審査2次審査を経て6点が選定された。そして今回の景観賞の最大の成果は、10年後の半田市の景観を見据えたワークショップを行い、3校の大学から6名の学生が参加してファシリテーターとして表彰式で発表してくれたことだ。しかもこの5月6月には半田で合宿も考えていてくれる。
 選定と選定の間の10年間が、まさに景観を創り、育て、守ることだと選考委員長の村上先生もおっしゃっておられる。
 今回、19名の会員が述べ90回参加してくれて大きな事業となったことはこれからの半田支部の活動の一助になったと思う。10年後の4回目の景観賞も建築士会の活躍が期待されている。

半田市ミツカン酢
MIM見学会

親睦委員会 委員長 松田誠史
 今年度は平成27年12月13日(日)、半田市に11月にオープンしたミツカン酢の『MIM』(ミツカンミュージアム)という建物を見学することで親睦会を行わせていただきました。
 今回の親睦会は何をしようかといろいろ考えていたのですが、観光元年の半田市にミツカン酢の博物館『MIM』がオープンすることを知り、これはと思いこちらの施設に決定しました。
 『MIM』の見学は1組25名での見学とのことなのですが、今回他のお客様と予約がかぶってしまい親睦会は22名での受付とさせていただきました。思いのほか早く22名が埋まってしまい申し込むことができなかった方は大変申し訳ありませんでした。
 館内は昔の酢造りを再現した展示物や、当時の輸送方法、輸送するのに使っていた船が実物大で再現されて展示してありました。
その船の制作過程もビデオで上映されていました。その他にもいろいろと展示されていて見どころはたくさんありました。最後に自分がすし職人になったような体験ができるところもあり、お子様と一緒に来られても楽しめると思います。 今回、親睦会に参加できなかった方も是非行ってみてください。
 『MIM』の見学の後はみなさんで昼食をとり、その中でビンゴゲームも行わさせていただき楽しませていただきました。
 親睦会に出席された方々、いろいろとご協力いただきありがとうございました。

再登場
半田運河いかだレース

青年委員会 委員長 山口貴司
 「今年も半田運河のいかだレース、出てくれるよね?」という市役所の某氏の一言で、再び出場することになりました。
 前回の経験から、
 @浮体はポリタンク(前回はペットボトル→途中で壊れかけた)
 A船員は縦1列に乗船(前回は2列→右と左の人の力加減で直進が難しかった)
 B建築士らしい屋根つき(前回は飾りなし→すこぶる評判が悪かった)
 Cオールは軽量な市販品(前回は若手大工の手作り→素晴らしく恰好よかったけど、意外と重くて困った)
 となり、初夏のホームセンターで大量の灯油ポリタンクとすだれと材木という不審な買い物をして、いざ製作!会員の作業場をお借りして、皆でワイワイガヤガヤ。キールアーチに開閉式屋根と、建築士らしい、時代の最先端をいく風流ないかだが出来ました。
レース当日、コースは半田運河1往復、距離約1km。乗組員4名は緑のTシャツに麦わら帽子で参戦です。
船の形は完璧、強度は万全、青年委員会の旗もかけて準備万端、と皆に見てほしい状況は、逆にネタ的な面白さに欠けるのか、少ない応援で、レース開始!今年こそはボートを漕ぐようにスイスイ・・・といかず、やっぱりいかだは大変!四苦八苦しながらも、まっすぐに漕いでいると、出場した第一レースは速いチームと遅いチームばかりで、前も後ろもいかだが見えなくなりました。
 不安になりながら、観客の応援に励まされ、汗だくでゴールを目指し、いかだの部で15艇中7位(35分00秒)になりました。一方、力作のデコレーション部門は20艇中18位、しかも、ポリタンクをつなげただけのチームに負けるまさかの結果に、蔵を活かした街づくりの難しさを体感しました。
 青年委員会は、概ね40歳以下の会員で構成されています。来年度も若手らしく楽しめる(?)事業を行いたいと思いますので、皆様の参加・応援・差入れをお待ちしております。

交流研修会

女性委員会 委員長 服部由美


 今年度、女性委員会では昨年同様2回の交流研修会を行いました。
 秋は遠方まで出かけ、姫路城の見学を行いました。姫路城は、昨年大天守の保存修理を終えたばかりで平日とはいえ混み具合を心配し、早めの出発です。新幹線から見えた第一印象の姫路城は、「白っぽい!」です。
 まずは、隣接する好古園の見学へ。朝早く出発した甲斐あって、庭のみずみずしさがなんとも素晴らしかったです。城を借景とした一万坪の日本庭園が幾つかのテーマに分かれ、その中に数寄屋建築がある見応えのある庭です。そして、いざ姫路城へ。
 順番待ちになったのは、天守閣のみで他はスムーズに見学できました。木造7階建てを400年前に建てたことにも驚きますが、その中に実際に身を置いて眼下に広がる小さくなった町並みを見ると、昔の人の技術力に圧倒されます。当日は、まさに秋晴れで真っ青な空に白鷺の名を冠した天守閣が映え、印象に残る研修会になったと思います。また委員の盛林さんが見つけて下さった鹿島建設の解体修理のホームページが、工事の内容を細かくまとめてあり参考になりました。
 もうひとつの研修会は、1月に行った「みんなの森ぎふメディアコスモス」です。伊東豊雄氏設計でこちらも完成したばかりです。
 2階にあがると木造格子屋根の木の香りがします。今までの図書館とは違いcaffeのような雰囲気です。この後のランチミーティングで次年度の事業・人事などを話し合い、今年度の行事が全て終わりました。
 この2年間、委員長を務めさせて頂き、「参加したくなる活動」「参加してよかった!と思える企画」を練ることの難しさを実感しました。次年度からは、新しい委員長にバトンタッチ致します。皆様のご協力のおかげでなんとか委員長を務めることが出来ました。有難うございました。

■編集後記
 theCity の編集を通じて1年間の事業活動を見つめなおして、企画・運営の苦労を改めて感じ、建築士会半田支部を盛り上げるためにご尽力いただいている役員の皆様に敬服する次第です。
 広報委員長として2年目を迎え、今までの事業の他に何か半田支部のためにできることはないかと考えて2つの事を始めました。一つは半田支部Facebookページの立ち上げです。まだまだ認知度は低いようでページへの「いいね!」は伸び悩んでおりますが、皆様のご期待に沿える情報を発信していきたいと思いますのでアカウントをお持ちの方はページの「いいね!」登録をお願いします。二つ目に常議員会開催報告を支部HPのブログへUPすることです。支部会員の皆様に見えない役員の活動が伝わればという思いと、役員一人一人の意識向上もあります。 会員の皆様がこのブログやtheCityを通じて事業に触れ、活動を考え、建築士会の飛躍へ繋がる行動へつなげていただければと思います。
皆様方に引き続き愛知建築士会半田支部の活動に深いご理解とより一層のご協力をお願いして編集後記とさせていただきます。ありがとうございました。
広報委員長 榊原昭仁